Leica RのレンズをCine Modする海外シネマトグラファー達
クライアントワークに耐えうるのがLeica R
映像表現に個性やキャラクターを加える為にオールドレンズを使用する機会も大分、増えてきた印象を受けます。海外の方ではオールドレンズをわざわざCine Mod(シネマ用にModification – 改造)やリハウンジングする強者も多くいますね。
映像用として導入するオールドレンズの定番と言えばNikkorやZeiss, Contax
色物でいうとHelios等、色々ありますが・・・
CMやコーポレートのクライアントワークで海外シネマトグラファーがご用達のオールドレンズといえば、ライカのRシリーズですね。
というのも、このLeica Rはオールドレンズで括るのは少々お門違いなのかもしれない程、描写力が現代のレンズにも太刀打ちできます。値段も値段、当時の光学式でも高級な設計をしているからです。
シャープネスを備えつつも、コーティングの有無等、現在のレンズとは違ったキャラクターを有しているから現代レンズと違って個性も立っている、そんなレンズです。
他のオールドレンズも、もちろん味があっていいんですが、正直クライアントワークで使いにくいんです。フレアが出すぎたり、色被りが目立ちすぎたり、色収差がひどかったり、ボケ味が汚かったりと。いわゆる、MVとか自主制作のAutuer (作家主義)性のある作品でしか、使えないんですよね・・・
クライアントワークではシネレンズと並ぶ選択肢としてポピュラーな訳です。
実のところ海外の映画やCMとかでもバンバン使われていて、多くのレンタルハウスとかでも貸し出しされてるところから人気の高さが伺えます。
他のオールドレンズよりもちろん高いですが、シネレンズよりは安いし、Leica のRシリーズは是非勧めたいレンズですね。
まずは画を観て欲しい。
Leica Rの描写力をいくら言葉で伝えても、魅力が伝わりきらないでしょうから以下にいくつか自分がピックアップした動画とそのキャプチャを載せました。
Endless Summer / Leica Elmarit R 35mm & Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K
Perfume Spec AD – Shot on BMPCC6K and Leica R
こちらはMatteo BertoliさんのSpec AD作品。
BMPCCの動画を探しているときにMatteo Bertoliさんを見つけたんですが、彼もLeica Rの愛用者。BMPCCでここまで表現力が出せるんだと感心しました。
カメラよりレンズが大事だというのがお分かりいただけるでしょう。
映像撮影用に使われるLeica Rシリーズのレンズのラインアップ
Leica Rの RはレフレックスのR。そう、ライカといえば、Leica M、レンジファインダー機の印象がとても強いですが、一眼レフ機も作っています。海外シネマトグラファーがこぞって使っているのが、Leica Rシリーズの方ですね。
Leica MシリーズのレンズよりLeica Rシリーズのレンズの方がマイナーで市場にも球数がそこそこあり、比較的安く手に入るといった利点もあります。
Leica RをCine-Modを自作する人もいれば業者やModを施してくれる個人がいますが、この界隈で恐らく一番有名なのは家族で経営してるレンズ会社のDuclos Lensesのサービスですかね。
そして、その息子さんのMatthew Duclosさんが運営しているThe Cine Lensというブログがとても為になります。以下の記事によるとLeica Rの中でも特にオススメのレンズたちがあるそうで。
こちらが映像用にオススメのLeica Rシリーズのラインアップ。
- 19mm f/2.8 Elmarit
- 24mm f/2.8 Elmarit
- 28mm f/2.8 Elmarit
- 35mm f/1.4 Summilux
- 50mm f/1.4 Summilux
- 80mm f/1.4 Summilux
- 100mm f/2.8 Elmarit
Leica RにはF1.4のSummilux、F2.0のSummicron、F2.5のSummarit、F2.8のElmaritとあるんですが、少し描写(大まかな傾向は似ている)が違えば流通してる価格も微妙に違ってくるのです。Matthewさん曰く、その中からシネマ用途で選ぶのは結構大変だったとか。
単純に明るさを求めてSummiluxとして選べるレンズはSummilux、それ以外は描写のバランスがElmaritが良いという結論に至ったそうです。
ただF2.0のSummicronの方が解放からスイートスポットなので、特に明るさを求めなければSummicronでもいいみたい。
なるべくマッチされたLeica Rを探そう
Leica Rシリーズのレンズは長い年月の間、同じブランド名で発売されてきたので年代によって若干光学式が違うという。以下のサイトによると、焦点距離が別でも、なるべく近いシリアルナンバーのレンズ同士を購入したほうがカラーマッチもしやすいということだそうだ。
シネマレンズに代わる、現代的描写のスチルレンズの次に求める選択肢
一眼ムービーが当たり前になった世の中で最初に映像制作者が撮影で手にするレンズは恐らくスチルレンズです。
現代的なスチルレンズを使っていると、確かに色収差も少なく、逆光耐性もあって、発色も良い。でも個性が際立ってない。キャラクターがないとも言えます。だから、皆さんフィルター等をかましたり、ポスプロでノイズやグレイン等を足すわけです。
写真用途ではそれでもいいのですが・・・
映像でではやはり違う。だから、何百万もする高価なシネマレンズにも需要があるんですよね。
ちなみに、海外掲示板等を漁っているとLeica Rシリーズの設計はPanavisionのPrimoと似ているという噂が。というのもLeica のSummilux-C (leicaのシネマライン)とPrimoが同じ設計者です。そして、Panavisionとコーティング等は違えど同じガラスを使っているらしいです。
Ultimate Diffusion & Bounce Test-Diffusion from Matt Porwoll on Vimeo.
Panavision, Summilux-C, Cooke等のシネマレンズテスト。ここまでチェックしたら君はもうオタク。
Leica R Lens を使用した他の動画達もピックアップ
Leica Rレンズを使用した作例をもっと見たい方は次のページに他にも挙げましたので、観たい方は!
1 / 2
コメント