日本と違う?ハリウッドで使われる照明ディフュージョン、バウンスの光の質を網羅しているサイト- Matt Porwoll

どうも、映像ディレクター・撮影監督のニコラス・タケヤマです。

ディフュージョンとは光を柔らかくするために行うこと全般で、バウンスとは光を物に反射させて柔らかくする手法ですが(厳密に言うとバウンスもディフュージョン)、

一概にディフュージョンやバウンスといっても様々な方法があります。

例えば、ディフュージョンもおなじみのアンブレラやソフトボックスから、僕が良く使うOpal (Lee410)やフロスト、ホワイトディフュージョン(Lee216)といった様々なディフュージョンマテリアルがあります。

ただ、日本の現場だとOpal(Lee410)なんじゃそりゃ?ってなることが多いです。日本の照明部や学校でも取り扱う主流のディフュージョンが多少違うので。

ましてや、僕が扱う予算の小さい現場だと、照明技師さんがいないことが多いので認識と教養のギャップを埋めるためにもこの記事を書くに至りました。

バウンスもそうです。色々な材質で反射率や拡散率、そして色までも変わってきますよね。

海外だと良く使うBleach Muslinとかも日本では全く普及していません。

※Bleach Muslin - モスリン布はコットンと羊毛でできた織物。Bleachは演色性を高めるために漂白されたもの。欧米では手芸用品店等で比較的容易に手に入れることから重宝されてます。

日本とちょっと違うディフュージョンマテリアルが主流な欧米式照明

欧米式の主要なディフュージョンマテリアルの光の質の差が分かるようなサイトがないかなって探してたらありました。

英語ですがMatt Porwollさんのサイトの以下のページでかなり詳細なテストを行っています。

http://mattporwoll.com/the-ultimate-diffusion-bounce-test/

動画にもされているのでお時間がある人は実際に映像で確認してもらったらイメージしやすいかなと。

使われたディフュージョンマテリアル

このテストで使われたディフュージョンマテリアルは欧米式の撮影現場でよく使われる、主要なものなのでとりあえず、これらさえ抑えておけば大丈夫です。

まずはじめにFull Silk, 1/4 Stop Silk, China Silk, Full Grid Clothです。

最初の三つは文字通りシルクです。ただコスト的に本物のシルクを使うのは合理的ではないので、人工シルクのことを一般的には指します。

Full Silk – フルシルク – シルクの中でもっともディフューズしてくれます。バウンスにも多用します。

1/4 Stop Silk – 1/4シルク – 上述の物の効き目を弱くしたものです

China Silk – チャイナシルク – ハーフシルクとも言われます。フルシルクより少し透過率が高いです

Full Grid Cloth – フルグリッド – 生地の中にグリッド(網目)が入っています。フルシルク程のディフューズ量がありますが、光の拡散率が低いです。ディフューズしたいけど光は拡散してほしくない時に重宝します。日本でも一般的です。

1/2 Grid Cloth – 1/2グリッド – フルグリッドより若干弱いものです。

1/4 Grid Cloth – 1/4グリッド – ハーフグリッドよりさらに弱いものです。

Frost – フロスト – 別名シャワーカーテン。市販のシャワーカーテンでも代用できます。アンビエントバウンスがないので光を柔らかくしつつダイレクトに当てられる。そして防水なのでアウトドアに向いている。

Opal (Lee 410) – オパール – Leeという会社から出ているディフュージョン紙の410番。通称Opal. 光の形を変えずに光のエッジを少しだけ落としてくれる。

1/2 White Diffusion (Lee 250) – 1/2 ホワイトディフュージョン – 同じくLeeのフィルター。ミディアムレベルのディフュージョン効果が期待できる。

Full White Diffusion (Lee 216) – ホワイトディフュージョン – 上記のフルバージョン。筆者のお気に入り。ロールペーパーなのでスペースを取らずにさっと垂らして光を柔らかくできるので便利です。海外では216で通じる。

Bleached Muslin – 漂白モスリン布 – バウンスでもディフューズでも使える神。日本では一般的ではないが海外のカメラマンはこぞってこれを選ぶ。光量がかなり落ちるのがネックだが、オーガニックな見た目に仕上がる。

Unbleached Muslin – モスリン布 – 上記の漂白されてないバージョン。光も暖かくなるので人肌をウォームなトーンに仕上げたいときはこちらを使う。

以下バウンスマテリアル

White Griffolyn Soft – ホワイトグリフォリン - 色々なグレードが用意されている。軽く丈夫で折りたたむことができる。

Ultra Bounce – ウルトラバウンス – 片面が白のバウンス、もう片方が黒でネガティブフィルとして使える。

Bead Board – カポック – 日本でいうカポックです。発泡スチロールでできています。

まとめ。

以上で色々なマテリアルの紹介でした。

Matt Porwoll さんのサイトではこれらディフュージョンマテリアルを

ディフュージョンだけ、バウンスだけ、ディフュージョンとバウンスを両方かけあわせた物をすべて網羅しているので、もっと深く知りたい人は是非チェックみてください。

http://mattporwoll.com/the-ultimate-diffusion-bounce-test/

ニコラス・タケヤマ

ニコラス・タケヤマ

日英対応の撮影監督・映像ディレクター。上智大学卒。 ワンマンでのビデオグラファースタイルの案件から数十人規模のスタジオセットでの撮影・照明のディレクションにも対応。

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