シネマレンズに迫る描写力。Leica Rシリーズのレンズが海外シネマトグラファーに支持される訳。

Leica RのレンズをCine Modする海外シネマトグラファー達

 

Leica R 19mm – 上品な写りがシネレンズを彷彿とさせる。

クライアントワークに耐えうるのがLeica R

映像表現に個性やキャラクターを加える為にオールドレンズを使用する機会も大分、増えてきた印象を受けます。海外の方ではオールドレンズをわざわざCine Mod(シネマ用にModification – 改造)やリハウンジングする強者も多くいますね。

Cine Mod Leica R

映像用として導入するオールドレンズで定番といえばNikkorやZeiss, Contax。

色物でいうとHelios等、色々ありますが・・・

CMやコーポレートのクライアントワークで海外シネマトグラファーがご用達のオールドレンズといえば、ライカのRシリーズですね。

リハウンジングされたLeica R

というのも、このLeica Rはオールドレンズで括るのは少々お門違いなのかもしれない程、描写力が現代のレンズにも太刀打ちできます。値段も値段、当時の光学式でも高級な設計をしているからです。

シャープネスを備えつつも、コーティングの有無等、現在のレンズとは違ったキャラクターを有しているから現代レンズと違って個性も立っている、そんなレンズです。簡潔に言うとフレアの形がクリーミーで綺麗かつコントラストがちゃんと出ていて

他のオールドレンズも、もちろん味があっていいんですが、正直クライアントワークで使いにくいんです。フレアが出すぎたり、色被りが目立ちすぎたり、色収差がひどかったり、ボケ味が汚かったりと。いわゆる、MVとか自主制作のAutuer (作家主義)性のある作品でしか、使えないんですよね・・・

クライアントワークではシネレンズと並ぶ選択肢としてポピュラーな訳です。

実のところ海外の映画やCMとかでもバンバン使われていて、多くのレンタルハウスとかでも貸し出しされてるところから人気の高さが伺えます。

他のオールドレンズよりもちろん高いですが、シネレンズよりは安いし、Leica のRシリーズは是非勧めたいレンズですね。

まずは言葉より画を観てほしい。

Leica Rの描写力をいくら言葉で伝えても、魅力が伝わりきらないでしょうから以下にいくつか自分がピックアップした動画とそのキャプチャを載せました。

Endless Summer / Leica Elmarit R 35mm & Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K

Film & Lens SocietyさんがBMPCC 4KにLeica Elmarit R 35mm一本で撮影した動画です。

髪の毛のディテールがいやらしくない、ハイライトのロールオフが美しい
程よいコントラストとスキントーンが綺麗
逆光、レンズフレアも大げさではない。うまく抑えられつつもアクセントになるくらい。
シルエット描写だとこんな感じ。
懐かしい空気を出しつつも、写すべきところは写す。そんな描写。

Perfume Spec AD – Shot on BMPCC6K and Leica R

髪の毛のディテールが保たれつつスムースなスキントーン
シネマレンズを彷彿とさせるフレアの形
がっつり太陽入ってもコントラストが落ちない
横に伸びるフレアは現代スチルレンズではみない形
シルエットでもばっちりコントラストが出る

こちらはMatteo BertoliさんのSpec AD作品。

Spec AD (Advertisement)とはスペックワークとも言われ、お金にならないクリエィティブ仕事のことです。日本では馴染みがないかもしれませんが、勝手にブランドの広告を作ったりして自分の技術力等をアピールするのに使われます。

BMPCCの動画を探しているときにMatteo Bertoliさんを見つけたんですが、彼もLeica Rの愛用者。BMPCCでここまで表現力が出せるんだと感心しました。

カメラよりレンズが大事だというのがお分かりいただけるでしょう。

映像撮影用に使われるLeica Rシリーズのレンズのラインアップ

Leica Rの RはレフレックスのR。そう、ライカといえば、Leica M、レンジファインダー機の印象がとても強いですが、一眼レフ機も作っています。

海外シネマトグラファーがこぞって使っているのが、Leica Rシリーズの方ですね。

まあというのも、レンジファインダー系列のMシリーズレンズよりRシリーズの方がマウントしやすいのと、画質的にも有利だという光学的な理由があります。

それと、Leica MシリーズのレンズよりLeica Rシリーズのレンズの方がマイナーで市場にも球数がそこそこあり、比較的安く手に入るといった利点もあります。

Leica RをCine-Modを自作する人もいれば業者やModを施してくれる個人がいますが、この界隈で恐らく一番有名なのは家族で経営してるレンズ会社のDuclos Lensesのサービスですかね。

https://www.ducloslenses.com/pages/cine-mod

そして、その息子さんのMatthew Duclosさんが運営しているThe Cine Lensというブログがとても為になります。以下の記事によるとLeica Rの中でも特にオススメのレンズたちがあるそうで。

こちらが映像用にオススメのLeica Rシリーズのラインアップ。

  • 19mm  f/2.8 Elmarit
  • 24mm  f/2.8 Elmarit
  • 28mm f/2.8 Elmarit
  • 35mm f/1.4 Summilux
  • 50mm f/1.4 Summilux
  • 80mm f/1.4 Summilux
  • 100mm f/2.8 Elmarit

Leica RにはF1.4のSummilux、F2.0のSummicron、F2.5のSummarit、F2.8のElmaritとあるんですが、少し描写(大まかな傾向は似ている)が違えば流通してる価格も微妙に違ってくるのです。Matthewさん曰く、その中からシネマ用途で選ぶのは結構大変だったとか。

単純に明るさを求めてSummiluxとして選べるレンズはSummilux、それ以外は描写のバランスがElmaritが良いという結論に至ったそうです。

ただF2.0のSummicronの方が解放からスイートスポットなので、特に明るさを求めなければSummicronでもいいみたい。

なるべくマッチされたLeica Rを探そう

Leica Rシリーズのレンズは長い年月の間、同じブランド名で発売されてきたので年代によって若干光学式が違うという。以下のサイトによると、焦点距離が別でも、なるべく近いシリアルナンバーのレンズ同士を購入したほうがカラーマッチもしやすいということだそうだ。

シネマレンズに代わる、現代的描写のスチルレンズの次に求める選択肢

一眼ムービーが当たり前になった世の中で最初に映像制作者が撮影で手にするレンズは恐らくスチルレンズです。

現代的なスチルレンズを使っていると、確かに色収差も少なく、逆光耐性もあって、発色も良い。

でも個性が際立ってない。キャラクターがないとも言えます。だから、皆さんフィルター等をかましたり、ポスプロでノイズやグレイン等を足すわけです。

写真用途ではそれでもいいのですが・・・

映像でではやはり違う。だから、何百万もする高価なシネマレンズにも需要があるんですよね。

ちなみに、海外掲示板等を漁っているとLeica Rシリーズの設計はPanavisionのPrimoと似ているという噂が。というのもLeica のSummilux-C (leicaのシネマライン)とPrimoが同じ設計者です。そして、Panavisionとコーティング等は違えど同じガラスを使っているらしいです。

Panavision のPrimoシリーズはハリウッド映画製作者の中でも愛用者が多い

Cinema Lens Test – Panavision Primo, Panavision SS, Leica Summilux-C, Cooke, Fujinon Premier MKH from KARTEL on Vimeo.

Panavision, Summilux-C, Cooke等のシネマレンズテスト。ここまでチェックしたら君はもうオタク。

Leica R Lens を使用した他の動画達もピックアップ

Leica Rレンズを使用した作例をもっと見たい方は次のページに他にも挙げましたので、観たい方は!

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ニコラス・タケヤマ

ニコラス・タケヤマ

日英対応の撮影監督・映像ディレクター。上智大学卒。 ワンマンでのビデオグラファースタイルの案件から数十人規模のスタジオセットでの撮影・照明のディレクションにも対応。

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