手軽にフィルム「っぽさ」を演出するBlack Pro-Mistフィルター!!と、やりすぎ良くないよね問題

ブラックプロミストを知らない人のために

ドイツの映像クリエイターCamera Caveさんの動画より

上記の様に全体的にミルキーでハイライトがフワッとした映像を観たことがないか?

ソフトフィルターの一種であるBlack Pro-Mist (ブラックプロミスト) 。

手軽にフィルムっぽいルックが手に入れられるということで、最近よく現場で見かけるし、作品観ててもかなりの頻度で使ってるのが伺える。

知らない方の為に下にどういった効き目があるのかの動画を載せた↓

Black Pro-Mist の効き目が良くわかる動画。有無あり。

レンズ前にスクリューする一般的なタイプもあれば

パナサイズとも言われる4×5.65のマットボックスに入れるタイプ

手軽にフィルム調な件

まあそんな私も例に漏れず、結構撮影で使わせてもらってるけど、トレンドになりすぎて正直飽き飽きしてる自分もいる。

こんな撮影でも使わせていただいた

でもね、しょうがないのよ。

便利だし安いのよ。

たかが数万円のフィルターをレンズの前にかませば簡単に

っぽさを演出できるのだから。

今まで使ったことない人にはかなりオススメのツール!

おい待てよ。

っぽいルックって何だよ。

一般的に言うと「っぽさ」ってシネマティック(映画っぽい)、もっと狭義に言うとフィルム感が出てるってことだ。

そこで疑問に思うのが

「いやいや、フィルムで撮影されてなくても映画は映画だし逆にフィルムで撮影されていても映画じゃないものは映画じゃないのだが・・・そんなにフィルムっぽさ出したいならフィルムで撮れよ。」って私の内なるおじさんの声が聞こえてくる。

フィルムっぽさ求めるのって

時代に逆行してるじゃん。

不毛な議論はさておいて、

フィルムって聞くと色ばかり注目されがちだが、それが確実に誤解を生んでいる。

安っぽいインスタのフィルターがいい例。

むしろフィルムの利点って色より

高ダイナミックレンジとそれから得られるハイライトロールオフ、そしてソフトでは再現が難しい微妙な粒子感(グレイン)である。

仕事柄、作品のカラーもよくやる私だが

フィルムっぽさって色だけじゃなくてトーンとか色々な要素が絡んでるし

そんな色いじっただけじゃ素人がフィルムを再現できるわけがない。だから写真のフィルムプリセットとか映像のLUTがバカ売れするのよ。そして他人のプリセットなんて自分の撮った素材とうまくハマることなんて滅多に無いんだから皆悪戦苦闘するわけ。

Black Pro-Mistはソフトさだけじゃなくハイライトロールオフをごまかしてくれる

Black Pro-Mistは一種のソフトフィルターだからエッジのたった輪郭も甘くしてくれるし、見せたくないお肌をある程度ボカして綺麗なお肌に見せかけてくれる。

デジタル一眼、及びにシネマカメラでもスチルレンズで撮ることが多くなった昨今、ソフトフィルターを映像に使うのはとても理に適ってる。

最近のスチルレンズは写真を撮る分にはすこぶるいい描写だけど、どうしてもパキパキしすぎて生っぽすぎるのは現代の高画素機で最高な写真を撮るために徹底した光学設計が行われているからだ。

正直、映像制作者としては髪の毛一本一本、ニキビの一つ一つまで描写する必要がないし多くの映画関係者も劇場上映はFull HDで十分だという。4kの解像感は恩恵があるが細かいところは見せて欲しくない時や、一眼のデジタルっぽさを無くしたい時には弱めのソフトフィルターは役立つ。

でもソフトさだけじゃないのがBlack Pro-Mist

このフィルター、明るい所がグローする特性のおかげでハイライトロールオフがごまかせるのだ。

ハイライトロールオフとはハイライトの飛んでいる部分から階調がある部分にかけてのカーブのきつさのことだ。

簡単に言うと、一番明るいところのグラデーションがあるかないかだ。ハイライトロールオフがいいとグラデーションがありしっかりと階調が残っている。高級なシネマ機であればある程ダイナミックレンジが広いから階調が粘る上に、ハイライトロールオフも綺麗にチューニングされている。だからAlexaは良いとされる。

左がロールオフがキツイ画。これが所謂ビデオっぽく見える所以。

Black Pro-Mistを使えばカメラのダイナミックレンジが上がるわけではないしカメラの本質的なロールオフが改善される訳ではないけど、

先ほどのソフトさを演出するのと同様ごまかすことができる。なぜならBlack Pro-Mistはハイライトがグローするという特性があるからだ。

そう、明るいところを発光させ、にじませ、ごまかしているのだ。

だからまあ小手先のテクニックと言えば小手先のテクニックだし、

作り手は必死に前述の「っぽさ」を演出する為に頑張っちゃう訳。

そりゃ予算があれば喜んでシネマ機にシネマレンズ使う。

Black Pro-Mistバレ問題。ファッションも映像も一緒。

何でBlack Pro-Mistに私が飽き飽きしてるかと言うと効き目が強いとルックがクドいから観ている側が分かるってこと。グロー感が効きすぎてると主張が激しすぎる事がある。

特に光源が強いとなおさら目立つ。

しかもトレンドになってきてるからここ2,3年で一気に陳腐化していくのかなって。

とりあえずつけておけばいいかみたいなのが透けてみえてくると段々と流行としては終わりが近い。

2020年の上半期の今はまだクールだけど。

結局、何事もいいさじ加減、塩梅が大事。

ようするにユニクロバレみたいなもん。

おしゃれな人がユニクロ着てもユニクロだってバレないし

分かったとしても様になる。

でもとりあえず着ましたってファッションはダサいよね

結局ファッションも映像も一緒でコモディティ化した時に一気に流行は終わる

https://www.youtube.com/watch?v=UTSG6l6jxG4

これは1/4だけど、光源が少なくてこの効き目くらいだったらいいよね

結論:やりすぎは良くない

みんなハッピーBlack Pro-Promist!ハッピーTiffen!ハッピーソフトフィルターライフを送れよな。

P.S Tiffenの公式サイト行けば色んなディフュージョン(ソフト)フィルターの比較動画がみれるよ

ニコラス・タケヤマ

ニコラス・タケヤマ

日英対応の撮影監督・映像ディレクター。上智大学卒。 ワンマンでのビデオグラファースタイルの案件から数十人規模のスタジオセットでの撮影・照明のディレクションにも対応。

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